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新潟県産コシヒカリ、富山県産エンレイを原料に3年熟成したお得意様用の裏メニューです。

三年熟成”裏”味噌 石井味噌店【信州味噌】
「巷では、色白味噌が流行っていますが、渋い色ほど、熟成させた証拠。本物の味噌にしか出せない旨味が詰まった極上の色です」
-石井味噌店- <石井康介さん>

一見さんは手にできない特別仕込みの味は・・・・・・?
現在71歳になる社長の石井基さんが、本格的に家業を継ごうとしていた30歳の頃。あるひとつの決断を迫られていた。 大正12年の関東大震災で東京の味噌蔵は破壊的な打撃をうけ、その不足分を補うために、信州には量産化の波が押し寄せてきていた。
「大量生産か、天然醸造か・・・・・・」。
信州といえば、日本一の味噌どころ。業界を代表する大手企業も集中している。
悩んだ末、出した答えは”天然醸造”。それも、信州の中でも造る蔵が少なくなっていた、”3年ものの長期熟成味噌”一本でいくことに決めたのである。
「親父も量産化のために速醸法を研究していました。でも、どうしても旨い味噌ができない。やっぱり天然醸造しかない、そう思って決断したんでしょう。時代に逆行してでも、旨い味噌を造り続けたかったんだと思います」
現在は、息子さんが、その意志を引き継ぎ、日本一の長期熟成味噌を造ると、意気込みを見せる。
”二寒二土用三年” ―これは、3年醸造味噌の熟成期間。仕込んでから、冬の寒さを2回、夏の暑さを2回越す。
丸2年、足かけ3年かけて、味噌を熟成させるのである。
「冬はじわじわと、夏は活発に菌が活動する。四季を通じて、じっくり熟成させた味噌でなければ、本来の香りや旨味は出てこないんです」
3年熟成の味噌は表向きには2種類。どちらも国産原料を使っているが、実はもう1種類、特別にこだわった味噌がある。 大豆は、多くの蔵人に最上級といわしめる富山県産エンレイ、米は新潟県産コシヒカリ。創業時から得意客だけに販売する。裏メニューともいうべき極上の味噌だ。
それを、何とか分けてほしいとお願いすること約1週間。
「それでは今回だけ、”特別なお得意さま”ということで・・・・・・」
3年経って目覚めた味噌は、濃く、艶ある赤色と、豊かな風味を備えている。
「熟成が進めば色が濃くなりますが、それこそ味噌が生きている証拠。じっくり寝かせた味噌ほど”塩かど”がとれ、 まろやかになる。3年熟成の味と香りをご堪能下さい」